IPO(新規公開株)は、未上場企業が株式市場に上場するタイミングで購入できる特別な投資機会です。初値の高騰が狙えることから、多くの投資家にとって魅力的な選択肢となっています。
本記事では、IPOの仕組みやメリット・デメリット、実際に値上がり・値下がりした銘柄の事例、証券会社ごとのIPO取り扱い情報などをわかりやすく解説します。
今回の記事はこんな方にオススメ
- 株式投資をしている人
- 株式投資でキャピタルゲインを得たい人
目次
1. IPOとは?
株式投資の中でも高い注目を集める「IPO(Initial Public Offering)」は、日本語で「新規公開株」と呼ばれます。これは、これまで未上場だった企業が、証券取引所に新たに上場し、一般投資家がその株を売買できるようになる仕組みを指します。
最後にIPOの基本的な仕組み
IPOでは、企業が新たに株式を発行して市場に資金を調達します。この株式が一般投資家にも販売されることで、多くの人がその企業の成長に参加できるようになります。企業にとっては、資金調達や知名度の向上、信用力の強化などのメリットがあります。
一方、投資家にとってIPO銘柄は「これから市場で取引が始まる新鮮な銘柄」であり、将来的な株価の上昇が期待されることから注目されています。
▶IPO株はどこで手に入る?
IPO株は、上場前の段階で証券会社を通じて購入申込み(ブックビルディング)を行います。IPOは基本的に抽選制となっており、事前に申し込んだ投資家の中から当選者が選ばれます。
購入の流れとしては以下のようになります。
①IPOを取り扱っている証券会社の口座を開設
②IPO情報をチェックし、希望する銘柄にブックビルディングを申し込む
③抽選結果を待つ(当選または落選)
④当選した場合、購入意思表示を行い、株式を購入
⑤上場日に初めて市場で売買が可能となる
▶IPO株の人気の理由とは?
IPO株は「初値が公募価格を上回る可能性が高い」という傾向があるため、短期間で大きな利益を狙えることがあります。特に需給バランスが偏った場合、初値が2倍、3倍になるケースも少なくありません。
ただし、全てのIPOが成功するわけではなく、後述のように初値割れするケースも存在します。したがって、IPO投資には基本的な知識と戦略が求められます。
2. IPO投資のメリット
IPO投資が多くの投資家から注目を集める理由には、いくつかの魅力的なメリットがあります。ここでは、IPO株への投資で得られる代表的なメリットについて解説します。
①初値が高騰する可能性がある
IPO投資最大の魅力は、「初値高騰によるキャピタルゲイン(売買差益)」です。IPO株は、上場前に決定される「公募価格」で購入し、上場初日に市場で取引が始まる「初値」で売却することで、差額の利益を狙うことができます。
たとえば、公募価格が1,000円だった銘柄が、初日に2,500円の初値をつけた場合、1株あたり1,500円もの利益となります。過去には、初値が公募価格の3倍、4倍になった例もあるため、IPOは短期的に大きな利益を得るチャンスとして人気です。
②抽選による公平な当選チャンス
IPO株は基本的に抽選で割り当てられるため、資金量にかかわらず「誰にでも当選のチャンスがある」という点も魅力の一つです。もちろん、証券会社によっては資金量が多い方が有利なケース(ステージ制やポイント制度など)もありますが、完全平等抽選を行っている証券会社もあります。
特に、少額でIPO投資を始めたい初心者にとっては、平等に当選チャンスがある点は大きな安心材料です。
③リスク限定型の投資スタイル
IPO投資では、基本的に「公募価格で買い、初値で売る」という短期の売買戦略が一般的です。そのため、上場直後の値動きにさえ注意していれば、長期の相場変動に巻き込まれるリスクが少なく、リスク管理がしやすいという特徴があります。
また、購入申込時に証券口座に資金を入れておくだけで申し込みができ、当選しなければ資金はそのまま残るため、資金の効率的な活用も可能です。
④上場前の企業に投資できる希少性
IPO株は「これから上場する企業」の株式です。そのため、まだ世間に広く認知されていない成長企業にいち早く投資できるという点で、非常に希少な投資機会といえます。
特に、SaaS(クラウドソフトウェア)やフィンテック、バイオベンチャーなど、成長性の高い業種のIPOは、将来的な株価の飛躍も期待されやすくなっています。
⑤市場参加のモチベーション向上
IPO投資では「抽選に当たるかどうか」という期待感や、「どの銘柄が上場するのか」というリサーチの楽しみがあります。これにより、株式市場に対する関心や知識も自然と高まり、投資リテラシーの向上にもつながります。
3. IPO投資のデメリット・リスク
IPO投資は、短期間で大きなリターンを得られる可能性がある一方で、決して「ノーリスク」な投資ではありません。ここでは、IPO投資に潜む主なデメリットやリスクについて解説します。これらを理解した上で、慎重な判断と準備が重要です。
①初値が公募価格を下回る「初値割れ」のリスク
IPO投資最大のリスクは、上場初日に「初値割れ」することです。
初値割れとは、公募価格よりも低い価格で市場取引が開始される状態を指します。
たとえば、公募価格1,500円で購入した株が、上場初日に1,200円の初値をつけた場合、1株あたり300円の損失になります。IPO銘柄は注目されやすい反面、事業内容や業績に対する期待が薄い場合や、市場全体の地合いが悪い時には、このような事態が十分起こり得ます。
②抽選に当選しづらい(特に人気銘柄)
IPOは原則として抽選で配分されますが、人気の高い銘柄ほど申込者数が膨大になり、当選確率が極めて低くなります。
実際に、数万人以上の応募があり、当選倍率が数百倍に達することも珍しくありません。
特に、主幹事証券に比べて幹事証券の当選枠は限られており、複数の証券会社に口座を持っていないと、抽選にすら参加できないケースもあります。
③情報が少なく、企業分析が難しい
IPO銘柄は未上場企業であるため、過去の株価チャートやアナリストのレーティングなど、投資判断の材料となる情報が少ないのが実情です。
たとえば、以下のような情報は限られます。
- 実績ベースの業績データ
- 株主構成やロックアップの詳細
- 市場での評価や競合状況
そのため、IPO投資では「成長性」や「市場の注目度」などを定性的に判断する必要があり、初心者にとっては難しく感じる場合もあります。
④上場直後の急落リスクやロックアップ解除による売り圧力
IPO株は上場直後に値動きが激しくなる傾向があります。たとえば、初値が大きく上昇した場合、利確売りが一気に出て急落することもあります。
また、一定期間売却を制限する「ロックアップ期間」が終了すると、大口株主やベンチャーキャピタルなどの売却が一斉に発生し、株価が急落するケースも少なくありません。
⑤元本保証がないため、損失の可能性もある
IPOは銀行の定期預金や債券とは異なり、元本保証がありません。あくまで「株式投資」であるため、状況によっては大きく値下がりして損失を被ることもあります。
「IPO=儲かる」という先入観だけで投資判断をしてしまうと、期待外れの結果に終わる可能性があるため、リスク許容度に応じた慎重な判断が必要です。
4. IPOで大きく値上がり・値下がりした事例
IPO投資において、「初値が公募価格を大きく上回る」「逆に初値割れで損失となる」という両極端な結果がしばしば発生します。ここでは、近年話題となったIPO銘柄の中から、実際に値動きが激しかった銘柄を取り上げてご紹介します。
▶値上がり事例
①ビジョナル(証券コード:4194)
- 上場日:2021年4月22日
- 公募価格:5,000円
- 初値:7,150円(+43%)
- 事業内容:転職プラットフォーム「ビズリーチ」の運営
話題性のある転職サービスを手がける企業で、事業モデルの将来性が評価され、大きな買い注文が殺到。業績面でも黒字化しており、堅調な成長が期待されました。
②BASE(証券コード:4477)
- 上場日:2019年10月25日
- 公募価格:1,300円
- 初値:1,210円(初値割れ)→その後高値13,000円台まで上昇
初値は一時割れたものの、コロナ禍の巣ごもり需要やEC市場の拡大を背景に株価が爆発的に上昇した事例です。IPO後の中長期投資で成功した好例といえます。
③ウェルスナビ(証券コード:7342)
- 上場日:2020年12月22日
- 公募価格:1,150円
- 初値:1,725円(+50%超)
ロボアドバイザーという新しい資産運用の分野で注目を集め、個人投資家を中心に大きな買いが入りました。成長分野への期待が株価を押し上げた典型的なケースです。
▶値下がり事例
①ツクルバ(証券コード:2978)
- 上場日:2019年7月31日
- 公募価格:2,050円
- 初値:1,900円(初値割れ)
ITを活用した不動産仲介事業を展開するも、収益構造に不透明感があり、投資家からの評価が伸びず初値割れとなりました。上場前の赤字や不明瞭な成長戦略は要注意ポイントです。
②Photosynth(フォトシンス、証券コード:4379)
- 上場日:2021年11月5日
- 公募価格:1,500円
- 初値:1,210円(▲19.3%)
スマートロックなどのIoT製品を展開するも、業績の赤字が続いていたことや、成長戦略が市場に浸透しなかったことが、初値割れの一因となりました。
③エクサウィザーズ(証券コード:4259)
- 上場日:2021年12月23日
- 公募価格:1,150円
- 初値:1,000円(▲13%)
AI関連企業として注目されましたが、時価総額が高めに設定されたことや、同時期に複数のIPOが重なったことも影響し、需給が緩み初値割れとなりました。
▶値動きから学ぶIPO銘柄選びのポイント
成功した銘柄にはいくつかの共通点があります。
- 成長市場に属している(SaaS、フィンテック、AIなど)
- 黒字または黒字転換見込み
- サービスやブランドの認知度がある
- 上場時の需給バランスが良い(他のIPOと重複していない、発行枚数が少ない)
一方、初値割れの銘柄にも共通点があります。
- 赤字が継続している
- ビジネスモデルがわかりにくい
- 同時期に多くのIPOがある
- 市場全体の地合いが悪い
以上のような特徴が見られます。
IPO投資では、こうした要素を事前にチェックすることが、損失リスクを下げるカギとなります。
5. IPOの抽選に強いおすすめ証券会社比較
IPO投資で成功するには、まず「IPO銘柄を購入できる機会を得ること」が第一歩です。そのためには、IPO取扱実績が豊富で、抽選に当たりやすい証券会社を活用することが重要です。
IPOを取り扱っている証券会社の比較表は以下の通りです。
| 証券会社名 | 取り扱い件数(年間) | 抽選方式 | 特徴・強み | 補足情報 |
|---|---|---|---|---|
| SBI証券 | ★★★★★(最多クラス) | 資金比例+ポイント制 | 落選でもIPOチャレンジポイントが貯まる。主幹事も多い。 | 当選のチャンスが広がる。多くのIPOに応募可能。 |
| 楽天証券 | ★★★★☆ | 完全平等抽選(1人1票) | 資金の多寡に関係なく、平等な抽選が魅力。 | 近年、主幹事も増加傾向。抽選倍率は高め。 |
| マネックス証券 | ★★★★☆ | 完全平等抽選(100%ネット) | ネット抽選100%。初心者にもチャンス大。 | 割当数の多くがネット口座向け。 |
| SMBC日興証券 | ★★★★☆ | ステージ制抽選 | 資産残高や取引状況で優遇される「ステージ制」あり。 | 主幹事案件が多く、当選可能性も高め。 |
| 大和証券 | ★★★☆☆ | チャンス抽選制度あり | 通常抽選+ポイントに応じた「チャンス抽選」。 | 資産額によりチャンス回数が増加。 |
| 松井証券 | ★★☆☆☆ | 完全平等抽選 | 少額投資家に人気。取扱数は少ないが平等抽選。 | 比較的新興のIPO取扱証券。 |
| 野村證券 | ★★★★☆ | 80%店頭・20%ネット抽選 | 主幹事数が多く、IPO参加機会は多い。 | 店頭重視で、ネット投資家にはやや不利。 |
| 岡三オンライン証券 | ★★☆☆☆ | 委託幹事中心 | 岡三証券主幹事案件をネットで申し込み可能。 | 低コスト派に人気、スマホアプリも使いやすい。 |
| auカブコム証券 | ★★☆☆☆ | 委託幹事中心 | 三菱UFJモルガン・スタンレー系IPO案件の受託あり。 | MUFGグループ利用者との親和性が高い。 |
| CONNECT(コネクト) | ★☆☆☆☆ | 完全平等抽選 | 大和証券の子会社。スマホで簡単IPO申込。 | IPO初心者に向いた設計。 |
取扱件数や独自の特徴を踏まえると上位のSBI証券、楽天証券、マネックス証券、SMBC日興証券が個人的にはおすすめです。
ただし、どの証券会社においても必ずIPOに当選するわけではないので根気よく抽選に応募しましょう。
▶IPO投資は「複数証券口座の活用」が鉄則!
IPOの当選確率を上げるためには、複数の証券会社に口座を開設し、全てから同時に申し込むのが基本戦略です。証券会社によって抽選方式や当選しやすさに違いがあるため、偏らず広くエントリーすることが重要です。
6. IPOの申込方法と当選までの流れ
IPO投資を始めるには、正しい手順を理解し、スケジュールに沿って申込を行うことが重要です。この章では、IPOに申し込むための具体的なステップと、当選までの一連の流れをわかりやすく解説します。
ステップ① IPO取扱証券会社で口座を開設する
まずは、IPOを取り扱っている証券会社に口座を開設する必要があります。
先述したように、複数の証券口座を開設しておくことがIPO当選率を上げる基本戦略です。
口座開設は、本人確認書類とマイナンバーカード(または通知カード)があれば、スマホやパソコンで簡単に行えます。開設には数日かかることもあるため、早めの準備が肝心です。
ステップ② IPOスケジュールをチェックする
IPOには、「募集期間」「抽選日」「上場日」など、複数のステップがあります。証券会社のサイトや専門メディアで、以下の情報をこまめにチェックしましょう。
- ブックビルディング(BB)期間
- 仮条件(想定価格帯)
- 公募価格の決定日
- 抽選結果の発表日
- 購入申し込み期限
- 上場日
※IPO投資では「BB期間中に申し込まないと抽選に参加できない」ため、カレンダー登録などでの管理が効果的です。
ステップ③ ブックビルディング(仮条件での申込)
IPOの申込は、「ブックビルディング(BB)」と呼ばれる制度を通じて行われます。
これは、投資家が仮条件の価格帯の中で「このくらいの価格で買いたい」と希望を出す期間です。
申込時には以下の情報を入力します。
- 希望する株数
- 希望価格(多くの投資家は「仮条件の上限」で申し込む)
- 資金の入金(証券会社によっては抽選時点で資金拘束あり)
なお、申し込み価格を仮条件の下限にしてしまうと、抽選対象外になることがあるため、基本的には「上限価格」での申込みがおすすめです。
ステップ④ 抽選結果の確認
ブックビルディング期間終了後、公募価格が正式に決定され、抽選が行われます。
抽選結果は、証券会社のマイページやメールで確認できます。
- 当選:購入手続きを進める(期限内に資金が必要)
- 補欠当選:キャンセルが出れば繰り上げ当選の可能性あり
- 落選:次回に期待(IPOチャレンジポイントなどは付与されることも)
※証券会社によっては、落選しても特典(ポイント等)が付与されるため、継続参加に意味があります。
ステップ⑤ 購入申込・上場日まで待機
当選した場合は、必ず「購入意思表示(購入申込)」を行いましょう。
これをしないと、せっかくの当選が無効になってしまいます。
購入後は、上場日まで株式が割り当てられるのを待ちます。上場初日には、各証券取引所で初値がつき、売却が可能となります。
ステップ⑥ 上場日に初値売却 or 継続保有
上場初日に、株価が大きく動くことが多いため、多くの投資家は「初値売り」を行います。
ただし、将来的な成長が見込まれる場合には、しばらく保有して値上がりを待つ「中長期戦略」も有効です。
売却タイミングは、銘柄の内容や地合いに応じて柔軟に判断しましょう。
7. IPOに向いている人・向いていない人
IPO投資は非常に魅力的な投資手法ですが、すべての投資家に適しているとは限りません。ここでは、IPO投資に向いている人と向いていない人の特徴を紹介し、自分に適しているかどうかの判断材料をお届けします。
▶IPOに向いている人の特徴
①抽選を楽しめる人
IPOは基本的に「申し込んでもなかなか当たらない」のが現実です。ですが、宝くじ感覚で抽選を楽しみ、当選の喜びを味わえる人にとっては、IPO投資は非常に向いています。
毎回落選しても前向きに捉え、継続して申し込みを続けられることが成功への鍵です。
②資金管理ができる人
IPOの申し込みでは、複数の証券会社にまたがって資金を分散することが多くなります。そのため、申込状況や入金額をきちんと把握し、無理のない資金配分ができる人はIPOに適しています。
また、当選した場合に即座に購入手続きを行う判断力も求められます。
③短期で利益を狙いたい人
IPOは、初値売却による「短期利益」を狙いやすい投資法のひとつです。長期保有よりも短期の値動きで収益を確定したい人には向いています。
特に副業で資産形成をしたい会社員や、時間の限られた個人投資家に人気があります。
④少額から投資を始めたい人
IPOは1銘柄あたり数万円〜十数万円程度から申し込めるため、資金力に不安のある初心者でも始めやすいです。また、落選すれば資金はそのまま戻ってくるため、リスク管理もしやすいという点で適しています。
▶IPOに向いていない人の特徴
①リスク許容度が極端に低い人
IPOには「初値割れ」のリスクが常につきまといます。損失を極端に嫌う人や、1回の失敗で過剰に反応してしまう人には不向きです。
損失も含めて「投資の一部」として受け入れられるメンタルが必要です。
②投資判断を他人任せにしている人
IPOでは、上場企業の成長性や業績、需給バランスを自分で見極める力が求められます。
「人気だから」「SNSで話題だから」といった他人の意見だけで判断する人は、誤った投資をしやすくなります。
簡単に申し込めるとはいえ、自ら情報収集と判断を行えることが前提です。
③資金をすぐに使う予定がある人
IPO投資では、申込期間中に資金を証券口座に預けておく必要があります。また、当選後は購入資金を拘束されるため、すぐに資金が必要な人には向きません。
当面使う予定のない余剰資金を使うのが鉄則です。
IPO投資が自分に合っているかどうかをしっかりと見極めたうえで、無理のない範囲で楽しむことが、長く続けるためのコツです。
8. IPO投資でよくあるQ&A
IPO投資は初心者にも人気の投資手法ですが、初めて取り組む方にとっては不安や疑問がつきものです。ここでは、IPO投資に関してよく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。
Q1. IPOは本当に儲かるのですか?
A1. 確実に儲かるわけではありませんが、高い確率で利益が出る傾向があります。
過去の統計データを見ると、IPO銘柄の7割以上が初値で公募価格を上回っており、高確率で利益が出ているのが現状です。ただし、初値割れのリスクもあるため、銘柄選定と慎重な判断が大切です。
Q2. IPOに申し込むだけでお金が減ることはありますか?
A2. 通常、申し込むだけでは資金が減ることはありません。
IPOの申込は多くの場合「購入申込=資金拘束」という形を取りますが、抽選に落選すれば資金はそのまま返還されます。手数料がかからない証券会社も多く、リスクの低い投資スタイルです。
Q3. IPOの当選確率を上げる方法はありますか?
A3. 複数の証券会社から申し込むことが効果的です。
IPOは証券会社ごとに抽選が行われるため、できるだけ多くの証券口座を開設し、各社から申し込むことで当選確率を上げることができます。また、SBI証券のように「IPOチャレンジポイント」制度を活用するのも有効です。
Q4. IPOの初値はどうやって決まるのですか?
A4. 初値は、需要と供給によって市場で決定されます。
IPOの初値は上場初日の寄付きで、買いたい投資家と売りたい投資家のバランスによって決まります。人気銘柄では買い注文が殺到し、公募価格の2倍以上になることも珍しくありません。
Q5. IPO株を初値で売るべきですか? それとも保有した方が良いですか?
A5. ケースバイケースですが、多くの投資家は初値で売却しています。
IPO投資の王道は「初値売り」です。短期で利益を確定できるため、リスクを抑えるには初値売りが有効です。ただし、将来的な成長が期待できる銘柄は、長期保有を選択するのも戦略の一つです。
Q6. 未成年や学生でもIPOに申し込めますか?
A6. 申し込み可能な証券会社もあります。
未成年でも親権者の同意があれば証券口座を開設でき、IPOに申し込めるケースがあります。証券会社によっては未成年口座でのIPO申込が不可な場合もあるので、事前に確認が必要です。
Q7. NISA口座でIPOは買えますか?
A7. はい、NISA口座でもIPO株を購入できます。
IPOはNISA口座でも申し込みが可能で、購入後の売却益は非課税になります。ただし、証券会社によってはIPOはNISAでの購入対象外とする場合もあるため、事前の確認が重要です。
このように、IPO投資には初心者が気になるポイントがいくつもありますが、正しい知識と準備をしていれば、大きなリスクを避けながら挑戦できます。
9. IPO投資のまとめ
IPO投資は「始めやすい」「損しにくい」「リターンが大きい」といった要素を兼ね備えており、特に資金効率を重視する投資初心者にこそ最適な選択肢といえるでしょう。
ただし、抽選に依存するため「努力が報われにくい」と感じることもあります。その分、コツコツと申し込みを続け、当選した際にはしっかり利益を得るというスタンスで向き合うことが成功の秘訣です。
紹介したポイントを参考に、IPO投資にぜひ挑戦してみてください。証券口座を準備し、情報をこまめにチェックしていれば、思わぬチャンスが訪れるかもしれません。