日本では長い間、「貯金が最も安全」という考えが根強くありました。しかし近年、物価上昇(インフレ)や年金制度への不安から、「お金を貯める」だけでなく「お金に働いてもらう」ことへの関心が高まっています。
その中心にあるのが「投資」です。とはいえ、「リスクがありそう」「損をしそうで怖い」と感じる方も多いでしょう。
本記事では、投資をこれから学びたい人向けに、「投資とは何か」から始まり、代表的な投資の種類別の解説、共通点・特徴、メリット・デメリット、そしてに触れながら、わかりやすく説明します。
今回の記事はこんな方にオススメ
- 投資を始めたいけどよくわからない人
- 投資をしているけど他の種類の投資も知りたい人
目次
1. そもそも投資とは? 貯金との違いと役割
● 投資の定義
投資とは、将来的な利益を期待して、今の資金を何かに振り向ける行為です。
投資対象はさまざまで、株式や債券、不動産、金(ゴールド)、仮想通貨、最近ではNFTまであります。
一方、貯金は「安全にお金を保管する」ための手段。金利が低く、増えることは期待できません。
| 項目 | 貯金(預金) | 投資 |
|---|---|---|
| リスク | ほぼゼロ | 商品によって異なる |
| 目的 | お金を守る | お金を増やす |
| 元本保証 | あり(銀行など) | なし |
| 利回り | ほぼ0% | 平均で年3〜7%前後 |
✅ Point:インフレが続くと、お金の価値は下がります。貯金だけでは実質的な資産は減ってしまう可能性があるのです。
2. 代表的な投資の種類を比較
次はよく検索されている代表的な投資方法を、投資初心者向けにわかりやすく紹介します。
2‑1. 投資信託(インデックス投資・アクティブ投資)
投資信託とは、投資家から集めたお金を専門家がまとめて運用してくれる商品です。中でも人気なのがインデックス投資信託。これは日経平均株価やS&P500といった株価指数に連動するように運用され、手数料が安く、初心者向けとして高い評価を受けています。
~投資信託とは?~
投資信託とは、投資家から集めた資金を専門家(ファンドマネージャー)が株式や債券などに分散して運用する金融商品です。
少額投資(100円〜)が可能で、「分散投資」が簡単にできるため、初心者に人気があります。
~インデックス投資とは?~
インデックス投資は、日経平均やS&P500などの市場平均に連動する運用を目指す投資信託です。
コストが低く、長期的に安定したパフォーマンスが期待できます。
~アクティブ投資との違い~
アクティブ投資は、プロが市場を分析し、平均以上のリターンを狙う運用方法です。ただし手数料が高く、必ずしも勝てるわけではありません。
● 投資信託のメリット
①100円から始められる少額投資が可能
②幅広い銘柄に自動で分散投資できる
③手数料が安く、長期運用に適している(特にインデックス型)
● 投資信託のデメリット
①元本保証がないため損失の可能性がある
②アクティブ型は手数料が高め
| 種類 | 特徴 | 手数料 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| インデックス | 市場平均に連動する低コスト型 | 低い | 初心者・長期投資 |
| アクティブ | 平均以上を目指す積極運用型 | 高め | 中級者以上 |
2‑2. つみたてNISA・新NISA
「つみたてNISA」は政府が推奨する少額長期積立投資制度。
2024年からは「新NISA制度」が始まり、投資の自由度と非課税枠が拡充されました。
~つみたてNISAの特徴~
①年間40万円までの投資に対し、最大20年間運用益が非課税
②金融庁が選定した一定条件を満たす投資信託・ETFに限定
③初心者・サラリーマンに人気
~新NISA(2024年以降)のポイント~
①年間360万円まで非課税(成長投資枠+積立枠)
②非課税期間は無期限に!
③途中売却しても再利用可能
● つみたてNISAのメリット
①運用益が非課税(通常は約20%課税)
②少額(100円〜)から自動で積み立て可能
③国が推奨する制度で安心感がある
● つみたてNISAのデメリット
①商品が限られている(つみたてNISA対象ファンドのみ)
②購入額や非課税枠に上限あり
③途中売却すると非課税枠が復活しない(旧制度)
2‑3. 株式投資(国内株・米国株)
株式とは、企業が資金調達のために発行する証券。保有すると配当金や株主優待を受けられたり、株価上昇による売却益(キャピタルゲイン)が狙えます。
~国内株の特徴~
①日本企業の株を売買
②株主優待などが人気(特に主婦層)
~米国株が人気の理由~
①高成長企業が多い(Apple、Teslaなど)
②配当利回りが高い企業も多い
③ドル建てなので為替リスクはある
● 株式投資のメリット
①配当金や優待など楽しみも多い
②成長企業の株を早期に購入できれば大きな利益が見込める
③米国株では世界的企業(Apple、Amazonなど)に投資可能
● 株式投資のデメリット
①大きく値下がりする可能性がある
②企業の業績や経済動向の影響を受けやすい
③為替リスク(特に米国株)
2‑4. 債券(国債・社債)
債券投資とは、国や企業にお金を貸して、一定期間後に利息と共に返してもらう仕組みです。国債は安全性が高く、社債は利回りがやや高めです。
✅ Point:金利が低い日本では利回りは限定的だが、安定性を重視する人にはおすすめ。
● 債権のメリット
①比較的リスクが低い
②一定の利息収入が得られる
● 債権のデメリット
①金利上昇局面では価格が下落する
②インフレ時は実質的な価値が減少する
2‑5. 不動産投資
不動産投資は、マンションやアパートなどを購入し、家賃収入(インカムゲイン)や売却益(キャピタルゲイン)を得る方法です。
● 不動産投資のメリット
①安定した家賃収入が期待できる
②節税メリットもある場合がある
● 不動産投資のデメリット
①初期費用が高額(数百万円〜)
②空室リスクや管理コストがかかる
③売却に時間がかかる
3. 投資の共通点と「3つの原則」
投資の種類はさまざまですが、初心者が押さえておくべき共通のポイントがあります。
① 長期投資が基本
時間を味方にすることで、複利効果が働き、資産は効率的に増えていきます。短期的な値動きに惑わされず、10年、20年というスパンで考えるのが理想です。
② 分散投資でリスク軽減
1つの商品に全額投資するのではなく、複数の商品や地域に分けて投資することで、リスクを抑えることができます。インデックス投資信託は自然に分散されるので特におすすめです。
③ 少額から始めて慣れる
「まずは100円から」が今の時代のスタンダード。楽天証券やSBI証券などでは、ポイント投資も可能。経験を積みながら徐々に金額を増やしていくスタイルが安心です。
4. よくある投資初心者の疑問Q&A
ここでは投資を始めようと思っている人のよくある疑問をまとめます。
Q. 投資ってやっぱり怖いです。損しませんか?
A. 投資にはリスクがありますが、「長期・分散・積立」の3原則を守ることでリスクをコントロールできます。つみたてNISAなどの制度を使えば、無理のない範囲で投資が可能です。
Q. どれから始めたらいいかわかりません。
A. 最初はつみたてNISAでインデックス投資信託を選ぶのが王道です。手数料が安く、分散もでき、100円から投資できます。
Q. 証券口座ってどうやって作るの?
A. ネット証券(SBI証券、楽天証券、マネックス証券など)なら、スマホで10分程度で口座開設できます。つみたてNISAやiDeCo口座も同時に申請可能です。
まとめ:投資を「知る」ことで未来のお金の不安が減る
投資は「始めないと損」ではなく、「知らないと選べない」ものです。
正しい知識を持つことで、リスクと上手に付き合いながら資産を育てることができます。
今は、100円から投資できる時代です。少しでも興味を持ったら、つみたてNISAや投資信託などを調べてみるところから始めてみてはいかがでしょうか?