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VWAPとは?株式投資における使い方とメリット・移動平均線との違いも徹底解説!

株式投資において「いまの株価は割安なのか、それとも割高なのか?」を判断するのは簡単ではありません。そんなときに役立つのが、VWAP(出来高加重平均価格)です。

この記事では、VWAPの基本的な仕組みから実践的な活用法までをわかりやすく解説します。デイトレードにもスイングにも使えるこの強力なインジケーターを、あなたの投資判断にぜひ取り入れてみてください。

今回の記事はこんな方にオススメ

  • 株式投資でなかなか勝てない人
  • 投資判断の指標を知りたい人

 

1. VWAPとは何か?

▶VWAPとは?

VWAPは、ある一定期間における平均的な約定価格を、出来高で加重平均したものです。単純な平均価格ではなく、取引量の多い価格帯により重みを置いて計算されるため、その日の市場で「重みのある価格帯」が可視化されます。

投資家にとってVWAPは、「その銘柄を買った(または売った)人たちの平均価格はどこか?」を示す、いわば公平な基準線です。

 

▶VWAPの計算方法

VWAPは以下の数式で計算されます。

・VWAP = (各取引の価格 × 出来高)の合計 ÷ 出来高の合計

より具体的には、たとえば1日の取引を1分ごとに区切ったとします。この場合、各1分間の(高値+安値+終値)÷3 × 出来高を積み上げていき、その合計を総出来高で割ることでVWAPが求められます。

 

▶VWAPの特徴

  • 日中足(5分足、1分足など)で多く使われる
  • 基本的にその日の寄り付きからスタートし、1日の終わりまでしか意味を持たない(デイトレ指標)
  • 出来高に重みを置くため、機関投資家も参考にしている

 

2. 移動平均線(MA)との違いとは?

多くの投資家が使っている「移動平均線(MA)」とVWAPは混同されがちですが、根本的に異なる点がいくつかあります。

項目VWAP移動平均線(MA)
計算方法出来高加重平均単純平均 or 指数加重平均
重み出来高によって加重される時間軸によって加重される
リセット毎日寄り付きでリセットされる指定期間をスライドして計算される
使用用途短期トレードでの基準価格中長期のトレンド把握
反応速度比較的早いやや遅い(特にSMA)

 

▶VWAPのほうが「いまの価格が高いか安いか」を判断しやすい

移動平均線は中期〜長期のトレンドをつかむのに適していますが、VWAPはその日の平均価格を基準に売買を考えるのに適しているため、「現在価格が割高か、割安か」を判断する際に効果的です。

 

3. VWAPを使ったトレード戦略

VWAPは、多くのトレーダーが「基準線」として利用しているため、実際の売買判断にも活用しやすいのが特徴です。ここでは、VWAPを使った具体的なエントリーポイントとイグジットポイントについて解説します。

 

基本戦略①:VWAPより上で推移している → 強気(買い目線)

VWAPよりも価格が上にある状態は、市場参加者の多くが含み益の状態であることを意味します。これは「買い方が優勢」であることを示しており、押し目買いやブレイクアウト狙いに有効です。

【買いシグナル例】

  • VWAPの上にローソク足があり、出来高が増加している
  • 押し目(VWAP付近まで戻ってきたタイミング)で再上昇

 

基本戦略②:VWAPより下で推移している → 弱気(売り目線)

VWAPよりも価格が下にある場合、多くの市場参加者が含み損を抱えており、心理的にも弱気になります。このような状況では戻り売りや空売りのタイミングとして活用されます。

【売りシグナル例】

  • 価格がVWAPを下に割り込み、その後戻してもVWAPで抑えられる
  • VWAPが下向きで、ローソク足が明確に下に離れている

 

基本戦略③:VWAPと価格がクロスする瞬間を狙う

価格がVWAPを下から上に抜けるときは買いシグナル、逆に上から下に抜けるときは売りシグナルとして活用できます。

ただし、ダマシも多いため、出来高やローソク足の形状との組み合わせで判断するのが効果的です。

 

4. VWAPの表示方法と使い方

VWAPの表示方法と使い方VWAPは、多くの証券会社のチャートツールや、代表的なトレードプラットフォームで簡単に表示可能です。

 

▶TradingViewでのVWAPの出し方

①銘柄チャートを開く

②上部メニューの「インジケーター」ボタンをクリック

③検索欄に「VWAP」と入力

④「VWAP(出来高加重平均価格)」を選択 → チャートに表示される

 

▶国内証券会社(楽天証券、SBI証券など)

①楽天証券の「マーケットスピード」や、SBI証券の「HYPER SBI」でもVWAPの表示は可能

②「テクニカル設定」または「インジケーター設定」で「VWAP」にチェックを入れるだけ

 

▶注意点

①VWAPは通常「日足ベース」で自動リセットされます

②一部ツールでは「週VWAP」や「月VWAP」「アンカードVWAP」も選択可能(後述)

 

5. VWAPは長期投資にも使えるのか?

VWAPはもともと短期トレーダー向けの指標ですが、長期投資に応用する方法もあります。

 

▶アンカードVWAP(Anchored VWAP)

長期投資に向いているのが「アンカードVWAP」です。これは、任意の日付(例:直近の急落開始日や決算発表日)を基準にVWAPを計算する指標で、以下のような使い方が可能です。

【アンカードVWAPの活用例】

  • 2020年コロナショック時の安値を起点にVWAPを表示
  • 株価がそのラインを上抜けた → 長期的な買いシグナルと解釈

TradingViewでは「Anchored VWAP」というインジケーターを利用することで、日足や週足でも重要な価格帯を視覚化できます。

 

6. VWAPのメリットとデメリット

VWAP(出来高加重平均価格)は非常に有用なテクニカル指標ですが、万能ではありません。ここでは、VWAPのメリットとデメリットを整理し、それぞれの特徴を理解して活用するためのポイントを紹介します。

 

▶VWAPのメリット

①売買の基準価格が明確になる

VWAPは「市場全体の平均的な約定価格」を示すため、「いまの株価が割安か、割高か」の判断材料として優れています。エントリーやイグジットの客観的な基準として活用できます。

 

②機関投資家も参考にしている

VWAPは機関投資家の執行基準としてもよく使われており、彼らの売買の平均価格に近くなる傾向があります。個人投資家もこの動きに乗ることで、プロと同じ目線で売買判断が可能になります。

 

③ダマシが少なく、価格に信頼性がある

VWAPは出来高で加重されるため、単なる価格変動ではなく、「多くの人がどの価格帯で取引しているか」が反映されます。そのため、ローソク足や移動平均線だけでは見抜けない本質的な価格帯を知る手助けになります。

 

④短期から中期まで幅広く応用可能

デイトレではその日のVWAP、中期投資ではアンカードVWAP、長期では週・月単位のVWAPなど、時間軸に応じて柔軟に対応できる点も大きなメリットです。

 

▶VWAPのデメリット

①基本的に当日限りの指標

VWAPはその日の寄り付きからのデータをベースにしているため、日をまたいだ分析には向いていません。翌日にはリセットされるため、継続的なトレンド把握には別の指標が必要です。

 

②急騰・急落時には機能しにくい

突発的な材料やニュースによる急騰・急落が起きた場合、VWAPから大きく乖離して参考にならないこともあります。その場合、押し戻しを狙うか、別のインジケーターとの併用が必要です。

 

③単体では売買の根拠として弱いこともある

VWAPだけを見て売買を判断するのは危険です。出来高やローソク足の形状、他のテクニカル指標(RSI、MACDなど)と併用することで、より信頼度の高いトレードが可能になります。

 

④チャートツールによっては設定が不便

一部の証券会社ツールではVWAPの表示機能が限定されていたり、「アンカードVWAP」が非対応であったりします。そのため、TradingViewやThinkorswimなど高度なチャートツールの併用が推奨されます。

 

7. VWAPを活かすための注意点とコツ

VWAPをうまく活用するためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。

 

①単体で使わず、他の指標と組み合わせる

VWAPは非常に有用なツールですが、「万能な売買サイン」ではありません。ローソク足の形状やサポート・レジスタンスライン、MACDやRSIなど他のインジケーターと合わせて使うことで、精度の高い売買判断が可能になります。

 

②出来高に注目する

VWAPは「出来高加重平均価格」であるため、出来高の急増があったときにその影響が大きく反映されます。VWAPのブレイク時に出来高が伴っているかどうかは、非常に重要な判断基準です。

 

③時間軸と市場の流動性に応じて使い分ける

  • 流動性の高い大型株・ETFではVWAPが効きやすい
  • 出来高の少ない小型株やマイナー銘柄ではVWAPの精度が下がることも
  • 日足のVWAP、週・月VWAP、アンカードVWAPなど時間軸を使い分けることも重要

 

④トレード前の戦略に組み込む

あらかじめ「VWAPを基準にどのような動きが出たらエントリー・イグジットするのか」明確な戦略を立てておくことで、感情に左右されずにトレードができるようになります。

 

8. まとめ

VWAP(出来高加重平均価格)は、株式市場において「市場参加者の平均取得価格」を示す非常に重要な指標です。特にデイトレードやスイングトレードでは、VWAPを基準に売買を判断することで、根拠あるトレードが可能になります。

また、TradingViewなどの高度なチャートツールを活用すれば、アンカードVWAPや週・月単位のVWAPも取り入れることができ、中長期の投資戦略にも組み込むことができます。

 

▶VWAP活用のまとめ

  • VWAPはその日の出来高に応じた平均価格を表す
  • VWAPより上なら買い優勢、下なら売り優勢
  • 移動平均線とは異なり「出来高」を重視する
  • 機関投資家の動向も読み解きやすい
  • 単体でなく、他の指標やローソク足と併用すべき

VWAPは、一見シンプルですが非常に奥深いインジケーターです。投資初心者から上級者まで、すべての投資家にとって「価格の適正さ」を知るための強力な武器になります。ぜひ、あなたのトレード戦略にVWAPを取り入れて、より精度の高い投資判断を行ってみてください。

基氏

35歳|投資歴5年|主に株式投資を行っており不労所得を増やすために継続中|株式投資に関する情報を中心に発信していきます

基氏

35歳|投資歴5年|主に株式投資を行っており不労所得を増やすために継続中|株式投資に関する情報を中心に発信していきます

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