長期投資と短期投資、どちらが儲かる？【初心者必見のメリット・デメリットと比較を徹底解説】

株式投資を始めると「長期投資と短期投資、どちらが儲かるのだろう？」と疑問に思う方が多いのではないでしょうか。

本記事では、投資初心者でも理解しやすいように長期投資と短期投資の特徴、メリット・デメリットを徹底比較し、実際の成功例や失敗例を交えて解説します。

1. 長期投資とは？基本的な考え方と特徴

長期投資とは、数年から数十年という長い時間をかけて株式やETFを保有し、企業の成長や市場全体の拡大によって資産を増やしていく投資スタイルです。

典型的な長期投資の例は以下のようなものです。

・インデックス投資（例：S&P500連動ETF「VOO」「VTI」など）

・優良企業の株式保有（例：トヨタ、ソニー、アップル、マイクロソフト）

・配当株投資（例：高配当ETF「HDV」「SPYD」）

特徴は「短期的な株価の変動に振り回されない」という点です。長い時間をかけることで、一時的な下落があっても企業の成長や市場の回復によってリターンを得やすい傾向があります。

2. 短期投資とは？基本的な考え方と特徴

短期投資とは、数日から数週間、多くても数か月程度で売買を完結させ、株価変動から利益を狙う投資スタイルです。

代表的な手法は以下の通りです。

・デイトレード：1日の中で株を売買して小さな値動きを積み上げる方法

・スイングトレード：数日〜数週間でトレンドを読み取って利益を得る方法

・イベント投資：決算発表、IPO、経済指標などイベントに合わせて投資する方法

短期投資は「スピード勝負」であり、利益を短期間で得られる可能性がありますが、その分リスクも高いのが特徴です。特に初心者は相場の急変に対応できず、損失を出しやすい傾向があります。

3. 長期投資と短期投資のメリット・デメリット

長期投資と短期投資それぞれの特徴を見てみましたが、続いては長期投資と短期投資のメリット・デメリットを紹介します。

▶長期投資のメリット

①複利効果を最大限活かせる

長期投資最大の魅力は「複利」です。たとえば毎月1万円を年利5％で20年間積み立てた場合、単純計算では240万円の元本が、運用益を含めて約400万円以上に成長します。

これは「利益が利益を生む」複利の力が働くからです。

②時間分散でリスク低減

株価は短期的に大きく上下しますが、長期で見れば成長トレンドに乗れる可能性が高いです。特に米国株（S&P500やNASDAQ100）は、過去数十年間で右肩上がりの成長を見せており、長期保有で損失を回避しやすくなります。

③心理的負担が少ない

短期売買は常に相場を気にする必要がありますが、長期投資では数カ月〜数年単位での成長を見守るスタイルです。そのため初心者に向いており、仕事や生活を優先しながら取り組めます。

④配当金・分配金を受け取りやすい

高配当株やETFを長期保有することで、配当収入を得られます。日本株ではNTTや三菱商事、米国株ではHDVやSPYDといったETFが人気です。

▶長期投資のデメリット

①短期で大きな利益は得にくい

長期投資は堅実ですが、1年で資産を2倍にするような爆発的なリターンは期待しにくいです。

②資金拘束が長い

一度投資したお金は数年単位で拘束されるため、急な資金需要には対応しにくいです。

③忍耐力が必要

暴落相場では含み損を抱える期間が長くなることがあります。

特にリーマンショックやコロナショックのような大暴落では一時的に資産が半分になることもあり、それでも売らずに耐えられるかが成功の分かれ目です。

▶短期投資のメリット

①短期間で大きな利益を狙える

値動きの激しい銘柄やイベント相場に乗ることで、数日〜数週間で数十％の利益を得られる可能性があります。

②相場に左右されにくい戦略も取れる

空売り（ショート）を使うことで、株価下落局面でも利益を狙える点は長期投資にはない特徴です。

③資金効率が高い

短期で回転売買するため、少ない資金でもトレード回数を増やせば効率よく利益を積み重ねられます。

▶短期投資のデメリット

①損失リスクが高い

特に初心者は「プロとのスピード勝負」に巻き込まれるため、負ける確率が高いです。統計的にも短期投資で長期的に勝ち続ける人は一握りです。

②時間と労力がかかる

チャート監視、企業ニュースのチェック、売買タイミングの判断など、常に情報収集が必要です。

③メンタル負担が大きい

毎日の値動きに一喜一憂するため、精神的に疲れやすいです。損切りできずに大損する初心者も少なくありません。

4. 実例比較①：長期投資で成功した事例

①米国株インデックス（S&P500）への投資

もし2008年リーマンショック直後にS&P500へ100万円投資していた場合、2023年時点で約400万円以上になっています。20年間保有するだけで資産が4倍になった計算です。

②アップル（AAPL）株の長期保有

2007年のiPhone発売時にアップル株を購入し、15年以上保有した投資家は株式分割を考慮すると、株価が数十倍になっています。長期保有の代表的な成功例です。

③日本株の高配当株投資

三菱商事や三井住友FGを10年以上保有した場合、配当金だけで投資額の数十％を回収できる事例があります。

5. 実例比較②：短期投資で成功した事例

①コロナショック後の急騰銘柄

2020年にテレワーク関連株（ZoomやSlack）を短期で売買した投資家は、数カ月で数倍のリターンを得ました。

②IPO株の初値売り

日本市場ではIPO株を初値で売却するだけで数十％の利益が出るケースもあります。ソフトバンク子会社の「SBテクノロジー」や「freee」などは話題になりました。

③イベント投資

決算発表直後の値動きを利用して短期で利益を狙う方法もあります。例えば米国のテスラは好決算発表直後に株価が20％上昇したことがあり、短期投資家にとっては大きな利益チャンスとなりました。

6. 実例比較③：失敗例から学ぶリスク管理

①長期投資の失敗例

成長が見込めない企業に長期投資してしまった場合、資産は増えません。例えばシャープや東芝のように経営不振に陥った企業は、長期保有しても株価が戻らないケースがあります。

②短期投資の失敗例

チャートの値動きに惑わされて高値掴みをし、損切りができず大損する例は多数あります。特に新興市場の銘柄でよく見られます。

③共通の教訓

・分散投資を怠らないこと
・ルールを守って損切りを徹底すること
・感情で取引しないこと

7. 長期投資と短期投資の適性診断

▶長期投資に向いている人
・安定してコツコツ資産を増やしたい
・日々の株価を気にしたくない
・配当金やインデックス投資に興味がある

▶短期投資に向いている人
・相場の変化に素早く対応できる
・リスクを取って短期間で大きな利益を狙いたい
・日中に相場を監視できる

8. 初心者におすすめの投資スタイルと組み合わせ戦略

初心者には基本的に長期投資が圧倒的におすすめです。特に「積立NISA」や「iDeCo」を活用したインデックス投資は、少額から始められ、複利効果を得やすい方法です。

ただし、短期投資を完全に排除する必要はありません。

資産の8割を長期投資、残りの2割を短期投資に回す「コア・サテライト戦略」により、安定と成長を両立できます。

9. まとめ

「長期投資と短期投資、どちらが儲かるか？」という問いに対して、答えは人によるです。
堅実に資産形成をしたいなら長期投資が適しており、短期間で大きなチャンスを掴みたいなら短期投資も選択肢になります。

ただし、初心者はまず長期投資から始めるのが安全です。短期投資に挑戦する場合も、資金の一部だけに留めることでリスクを抑えられます。

最終的には「自分のリスク許容度」「投資に割ける時間」「精神的な余裕」によって最適な投資スタイルを選ぶことが大切です。